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第3回:老後はどちらで暮らす?日本とアメリカの年金・生活比較ガイド

アメリカ長期在住者のための日本帰国プラン

将来の生活拠点を考えるとき、「年金」と「暮らしやすさ」は大きな判断材料になります。アメリカで長年働いてきた方が日本に戻ることを検討する場合、両国の制度の違いや生活コストを理解しておくことが大切です。



アメリカと日本、それぞれの年金システムの特徴

アメリカの公的年金(Social Security)は、働いた期間と納めた税金額に基づいて支給額が決まる仕組みで、最低でも約10年間(40クレジット)の就労が条件となります。受給開始年齢は62歳から繰上げ可能で、通常は66〜67歳から満額支給。支給額は人によって異なりますが、目安として月1,500〜2,000ドルほどです。

日本では、国民年金と厚生年金という二段階構成が取られており、自営業者は国民年金のみ、会社員は厚生年金が上乗せされます。受給開始は65歳からで、国民年金単体の場合は月額5〜6万円、厚生年金を含む場合は10〜20万円の支給が一般的です。

両国は「日米社会保障協定」によって連携しており、加入期間の通算や両方の年金の一部受給も可能です。帰国を視野に入れている方は、事前に手続きや受給資格について確認しておきましょう。



老後の暮らしやすさを左右する生活環境の違い

アメリカでは年々生活コストが上昇しており、特に都市部の住宅費は家計を圧迫する大きな要因です。たとえば、カリフォルニアの都市部では1ベッドルームの賃貸でも月2,000ドルを超えることが一般的。医療費も高額で、メディケアだけではカバーしきれない部分が多く、補完保険への加入がほぼ必須です。

一方の日本は、地方都市を中心に生活費が抑えやすく、公共サービスや交通インフラも整備されています。医療費も原則1〜3割負担で、高額療養費制度があるため大きな出費を防ぐ仕組みもあります。

さらに、地域の福祉制度や高齢者向けの支援ネットワーク(地域包括支援センター、ボランティア活動など)も充実しており、孤独になりにくい環境が整っているのも日本の強みです。



まとめ:数字だけでは見えない「安心して暮らせる国」とは?

年金の金額だけを見ると、アメリカの方が高額に見えるかもしれません。しかし、医療費や生活費を総合的に考えると、日本の方が少ない年金でも暮らしやすいという声は多く聞かれます。今後のライフプランを考える上では、制度の違いを理解しつつ、自分に合った生活環境を選ぶことが大切です。

次回は「帰国後に日本に合法的に住むための手続き」についてご案内します。

 
 
 

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